アスベストを分析する

アスベストは無機繊維状鉱物のひとつであり、日本語では石綿と訳され読み方はいしわた及びせきめんです。耐久性や耐熱性や耐薬品性、電気絶縁性に優れているうえ安価だったので、1970年代までは断熱材や防火材など建築材料に利用されてきました。しかし空中に飛散した石綿繊維を吸入すると肺癌や中皮腫の誘因となることがわかり、2006年に製造禁止が発令され、2012年3月に全ての石綿は完全に製造禁止となります。アスベストを含む建築物の解体時と石綿の廃棄時には、石綿障害予防規則や大気汚染防止法、廃棄物処理法で特別管理産業廃棄物に指定され溶融処理等など厳しい基準があり扱いはとても大変です。

ゆえに建築物を解体する時には、その建物にアスベストが含まれていないかどうか分析する必要があります。分析できるのは石綿含有建材の使用実態を把握する建築物石綿含有建材調査者、使用されている石綿の処理要否を判断するアスベスト診断士、石綿分析技術評価事業のAランク等保有者など資格のある担当者です。無機繊維状鉱物が偏光に対して特有の屈折率を示す特性を利用した偏光顕微鏡方法、線回折装置によるアスベストピークの確認、試料を特定の浸液に浸すことで屈折率により色が変化することを利用した位相差分散顕微鏡法、走査型電子顕微鏡による追加確認で調査します。分析方法は日進月歩で進化しており、石綿を完全にこの世から廃棄するその日まで、分析調査は今後も需要の高いビジネスです。

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