アスベストの濃度を分析する資格とは？

アスベストは天然の鉱石であり、石綿ともよばれて以前は多くの建築材料や工業製品に使われていました。経済的に安価である上に、防音性や耐熱性に優れていたため、手軽な材料として人気がありました。しかし、現在は労働安全衛生法により、製造や輸入や使用について厳しい制限が設けられるようになっています。飛散した塵肺を吸い込むことによって肺線維症（じん肺）、悪性中皮腫、肺がん等になる可能性があることがわかってためです。

アスベストが含まれた建物を解体すると、粉塵が飛び散り人体に深刻な影響を与えることが心配されます。そのため、解体する建物にアスベストが含まれていないかどうか分析しなくてはなりません。分析することができる資格としては、大きく2つのものがあげられます。ひとつめは、アスベスト診断士です。

診断士が行うものとして、どこに使用されているかの診断、使用されているアスベストの処理要否判断、含有製品等の処理工事に関する適正工事のチェック診断などです。2つめは建築物石綿含有建材調査者です。建築物の通常の使用状態における石綿含有建材の使用実態を的確かつ効率的に把握するため、中立かつ公正に正確な調査を行うことができることを認定する公的資格制度です。こうした有資格者が適切に石綿を分析する建物は、安心して任せることができます。

分析方法としては定性方と定量法の2種類あります。定性法は石綿が含有されているかどうかを調べる方法で、定量法は含有率を調べる方法のことです。